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これが花? ウマノスズクサ

「ひょうたん池からミヤマカスミザクラに行く途中」でウマノスズクサが咲きました。「これが花?」とつい言ってしまいそうです。

 本州以南の日当たりのよいところ、特に程よく草刈りがされた里山や河川敷に生えている蔓性の多年草です。茎は細く強く、無毛、直立して高さ1~5m位になり、葉とともに臭気があります。葉は互生しで柄があり、毛がなく滑らかで蒼緑色です。夏に葉腋から出る1本の細い柄の先に、緑紫色の花が1個横に向いて開きます。萼はラッパ状の筒形で、雌しべ6、蒴果は球状で6裂になります。根や果実は生薬とされていましたが、腎障害を引き起こすことが分かり、現在は用いられていません。

 和名は、「馬の鈴草」。葉が馬の顔の形に、花の球形の部分が馬の首に掛けるような鈴に、花の形が馬の首に掛ける鈴に等、諸説あります。葉がジャコウアゲハ幼虫の食草となります。成虫は雄は黒、雌は褐色で大変綺麗ですが、野草園ではこれまで確認されていないようです。

コオニユリが咲き始めました。

コオニユリ(ユリ科) 「ひょうたん池」南側通路にあります。

 北海道、本州、四国、九州の日当たりの良い湿り気のある山地に生える多年草です。葉は線状披針形で、葉のわきにオニユリのようにムカゴは付きません。茎の先端に黄赤色の花をつけます。花の数はオニユリよりも少なく、形も少し小さいです。花被片は6枚、上部はそり返り内側には紫黒色の小点がまばらにつきます。

 和名「小鬼百合(コオニユリ)」 オニユリよりも小さいことからつきました。オニは、鬼(おに)で橙赤色の花の咲く様子を鬼の顔に見立てたといいます。

園内の至る所で咲いているノリウツギ

ノリウツギ(アジサイ科) 「マグノリア通り」「ミズバショウの谷」「ロックガーデン」などにあります。

 北海道、本州、四国、九州に分布します。国外では南千島、樺太、中国、台湾に分布しています。山地の日当たりのよい所では普通に見られる落葉低木です。2~3m以上になります。葉は対生し柄があります。時々3枚輪生します。夏、枝先に円錐花序をつけます。装飾花は白色で花弁状の萼片をもちます。花の終わり頃、赤味をおびるものもあります。両性花も白色で、萼片5、花弁5、雄しべ10。花柱は3つに分かれています。蒴果は小さな楕円形です。ハナカミキリやハナムグリなどの訪花性の昆虫が多く集まります。

 和名「糊空木(ノリウツギ)」は、樹液を和紙をすく際の糊に利用したことによります。表面の皮を剥ぎ、 皮と茎の間の緑の部分を剥ぎ取り、 ミキサーで細かくしたものを絞り、のりをつくるそうです。今度、作ってみたいと思います。乞うご期待願います。

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