観察日記

健康ブームの火付け役? トチュウ(トチュウ科)

 落葉の高木で20メートルにも達します。樹皮は暗褐色で、がさがさしており、樹皮を剥ぐと少し強靭な銀白色の糸を引きます。天然ゴムの産出木でもあります。花は単性で雌雄異株で、小枝の基部に出てきて、通常は葉より先に咲き出します。堅果は長楕円形で扁平、周りに翼があって先端は浅く分離しています。堅果の長さは3~4センチ程度です。

 トチュウは、15年以上たった樹を選び、4~5月頃、樹皮を剥ぎ取り、最外層のコルク層を取り除いてから天日で乾燥させます。これを生薬名で杜仲(とちゅう)といいます。薬性が穏かで補養強壮薬として用いられていて、応用される領域は広く、内科と産婦人科で見られる心臓、腎臓、生殖機能の衰退の症状には、いずれも良好な治療効果があります。また、杜仲には毒性がありませんので長期間の服用が可能であり、高血圧、高コレステリン血症、動脈硬化、脳神経衰弱などの心臓と脳中枢神経の疾病に効き目があるとされます。カフェインが入っていないので、子どもや妊婦の方にも問題なく使用できます。多くは他の生薬とともに用います。単独でも強壮、強精、鎮痛薬として、とくに腰痛、膝関節痛の痛みなどに用いられています。

 数年サイクルで、杜仲茶ブームが起こると聞いたことがあります。多くの効能に感嘆しますが、写真にあるような天然ゴムの乳白色の成分は、直接見たり引っ張ったりすると新鮮な驚きがあります。

エビガライチゴの蔓の腺毛が目を引きます 

 「ひょうたん池とミズキ林の間」のエビガライチゴ(バラ科)の様子です。開花状況を6/17の本園HP(ブログ)でお知らせしていますので、そちらも合わせてご覧ください。

 葉がほとんど落ち、腺毛が密集している蔓の様子がよくわかります。大きな刺の威力は健在で触れると痛いのですが、それ以外の部分は全体的に柔らかくなっているように感じました。葉の裏側が白いためウラジロイチゴとも呼ばれますが、葉脈にわずかに棘が残り、冬芽も見ることができました。

葉も実も光ってます・・・カリン(バラ科) 

 「薬草コーナー」のカリン(バラ科)です。「吉林の庭」にも1本あるのですが、こちらは実がなりませんでした。

 原産は中国東部で、日本では東北地方以南の本州、四国、九州で植栽されています。日本への伝来時期は不明です。適湿地でよく育ち、耐寒性がある落葉高木で、5枚の花弁からなる白や淡紅色の花を咲かせます。葉は互生し、倒卵形ないし楕円状卵形で、先は尖り基部は円く、葉縁に細鋸歯があります。未熟な実は表面に褐色の綿状の毛が密生し、成熟した果実は楕円形か卵形をしており黄色で大型です。トリテルペン化合物による芳しい香りを放ち、果実はカリン酒などの原料となります。

 「薬草コーナー」のカリンは豊作です。朝日を浴び、葉も実も光っていました。実は洋ナシに似て美味しそうですが、硬く渋く生食にはむきません。玄関や車中に置いた経験はありませんか。人工的なにおいでなく自然の香りが漂い、何とも言えない幸せな気分になります。

  

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