観察日記
秋の風景を楽しむ in 野草園
秋も深まってきました。園内の木々は様々。すっかり葉を落とし冬支度に入ったもの、紅葉が見ごろのもの、これから染まっていくもの、木の種類や生えている環境でこんなにも違うのだなと思わされます。青空のもと、ひんやりとした空気を胸いっぱい吸いながら、落ち葉を踏みしめて、秋を楽しんでみませんか。
イイギリ(ヤナギ科)の果実
真っ赤なブドウがたくさん下がっているように見える、イイギリの果実。青空を背景に、とても色鮮やかです。実は食べることはできますが、苦くてあまりおいしくはないようです。山地に生え、太い枝を放射状に広げる雌雄異株の高木です。たくさん実を下げているのは雌の木です。隣の雄の木には実が下がっていません。(「スワンヒルの庭」のすぐそばで見ることができます)
ヤマモミジ(ムクロジ科)の果実
今、紅葉真っ盛りのヤマモミジ。近づいてよく見てみると、たくさんの果実(翼果)がついています。2個セットで、まるでブーメランのようにV字形についています。種子の部分が仲良く向き合うように付いていますが、やがて離れて風に飛ばされくるくる回りながら飛んで行きます。 (「カエデの森」などで見ることができます)
マグノリア通り《サラサドウダン》などの紅葉で鮮やか
サラサドウダン(ツツジ科)の紅葉
春、紅色の筋が入った淡紅白色の花をたくさんつけていました。(右側写真)今は小さな果実がたくさん付き、葉が色鮮やかに美しく紅葉しています。 (「マグノリア通り」などで見ることができます)
シロヤマブキ(バラ科)の果実
シロヤマブキの名のとおり、春には白い花を咲かせました。(右側写真)今は黒い果実が付いています。果実の形は楕円形で、4個ずつ集まって付いています。果皮は黒色で光沢があります。 (「薬草コーナー」などで見ることができます)
ズミ(バラ科)の果実
赤い果実が、秋の青空を背景にとてもきれいです。5月には、紅色の蕾と白色の5弁花を枝にたくさん付けていました。(右側写真)花後、果実は赤色に熟し、小さなりんごの形をしています。その実が酸っぱいので「酸実(ズミ)」と名がついたという説があります。 (「マグノリア通り」で見ることができます)
黒い花火 《ヤマウド》の果実
ヤマウド(ウコギ科)の果実
春の若芽は山菜として人々に好まれるヤマウド、夏は線香花火のような白い花(右側写真)を付けていました。晩秋になりましたが、まだ黒い果実を沢山つけています。放射状に花が咲いていた時と同じような形状で実をつけています。(「スワンヒルの庭」などに見られます)
オトコヨウゾメ(レンプクソウ科)の果実
春、可愛らしい白い花を散房状につけました。(右側写真)今は、紅葉した葉に赤い実が鮮やかです。ヨウゾメとはガマズミの方言と言われています。でも、ガマズミの実のように美味しくないので、オトコと頭に名前がついたようです。 (「クリンソウの谷」の北西側に見られます)
オタカラコウ(キク科)の果実
夏に黄色い花を沢山つけていたオタカラコウ(右側写真)。今は、離れて見るとブラシのような状態になっています。近づいてみると、タンポポの種に似た冠毛のある種子(果肉の部分がない痩果(そうか)という種類の果実)がびっしりと付いています。 強い風が吹くと、すぐなくなりそうです。(「ひょうたん池」の南側に見られます)