観察日記

昆虫写真教室が実施されました

 自然写真家 永幡嘉之さんを講師に迎え、大人を対象にした「昆虫写真教室」が行われました。

「くらべてわかる 昆虫(山と渓谷社)」の文・写真を担当していらっしゃる方です。本を開くと、どれも昆虫の生態や特徴が分かりやすく書かれていて、それぞれの昆虫の違いが一目で分かる写真が数多く掲載されています。

 さて、今日の昆虫写真教室では、野草園で今見られる昆虫を探しながら昆虫写真を撮影するコツ、昆虫の生態などについて詳しく教えていただきました。参加された皆さんは大変熱心に講師のお話をお聞きしながら、モノサシトンボなどこの時期にしか見られない昆虫を実際に撮影されていました。

秋の七草 クズ

 ゲートから野草園にご入場いただいてすぐ、左側でクズの花が咲きだしました。敷地内ですが道路沿いになりますので、ご覧いただく際は、交通安全にご留意ください。「七草の庭」のフジは、勢いよく蔓を伸ばしていますが、花芽を見つけることができずにいます。

 温帯および暖帯に分布し、北海道から九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布しています。山野に見られる大形の蔓状草本で、茎の基部は木質になります。葉は大きく3出複葉で、葉腋から総状花序が上向きに立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する蝶形花を房状に密集してつけ下から順に開花します。根は太く多量のでんぷんを含んでおり、葛粉(くずこ)がとれます。食用の他薬用にも使われ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられています。

 和名は「葛(クズ)」。大和(奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来します。「葛湯」や風邪のひきはじめに服用する「葛根湯」は、良く知られていますが、こんなにきれいな花が咲くんですね。

 

ハンゲショウ

 「水辺の花コーナー」で、ハンゲショウが咲きだしました。

 日本の本州以南、朝鮮半島、中国、フィリピンなど東アジアの亜熱帯性湿地に分布し、日の当たる湿地などにて太い地下茎で分布を広げて群生する多年草です。高さは1m位になり、草全体に一種の臭気があります。根茎は白色で横にはい、茎は直立し、葉は有柄で互生します。初夏、茎上部の葉2~3枚は表面が白くなり、この葉に対生して穂状の総状花序を出し、多数の白小花をつけます。花は有柄で花被はありません。雄しべ6~7、雌しべ1です。カタシログサともいいます。

 和名は「半夏生」。夏至から数えて11日目から5日間を半夏生と言い、農作業の目安とされますが、ちょうどその頃に花が咲くことに由来します。花に近い葉だけが白くなります。マタタビと同じように、虫への目印なのでしょうね。

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