観察日記

お約束したオオウバユリの調査結果

 オオウバユリの個体数は、道路や歩道から確認できたもので47個でした。(下の配置図通り)場所に共通している点は、やや湿った林内の平地であること、斜面にはありませんでした。固まって生息していることから、オオウバユリの種の飛散状況はさほど広くないことが分かりました。

 最大のものは、インスタグラムで報告した通り、「スワンヒルの庭」⑱番の道路を挟んで向かい側のものです。後述すオオウバユリの花数の倍以上あり、驚きの一言につきます。

  〇高さ  196cm   〇花数  47個   〇茎回り(地面の上) 22cm  

  〇最大葉身 35cm 幅30cm 葉柄の長さ 43cm

オオウバユリ(ユリ科)

  本州の中部以北、北海道に分布し、やや湿り気のある林内、林縁に自生する多年草です。ウバユリの変種、関東地方以西から四国、九州に分布するウバユリより大型で、花の数も多いです。高さは1.5 ~ 2.0m位。花期は7 ~8月で、10 ~ 20個の黄緑色ないし緑白色の花をつけます。翌春まで立ち枯れした実をつけた茎を見ることができます。花をつけた株は一生を終え枯死します。種子から発芽したあとは、1枚葉の状態で経年成長し、地下部(鱗茎)の肥大成長とともに2枚、3枚とロゼット葉の枚数を増やし、その後開花しますが、この間が約8年以上とされています。

ソバナが咲きました

 「ロックガーデン頂付近から深樹の小径へ向かう杉林に入って程なく」ソバナが咲きました。

 日本では、本州、四国、九州に、アジアでは朝鮮半島、中国に分布します。山地の林内や斜面にはえる多年草で、茎は高さ90cm内外です。ときに上部で分枝し、葉は柄があり互生しますが、上部になるにつれ葉は小さくなり、葉柄は短くなってついに無柄になります。秋に茎の上部で分枝し、紫色の鐘状花を下向きにつけます。萼5、雄しべ5、雌しべ1、柱頭は3つに分かれ、子房は下位です。

 花は小さいのですが、すぐキキョウの仲間と分かります。和名は「蕎麦菜」。若菜を茹でると、そば(蕎麦)を茹でるときと似た匂いがするそうですが、さすがにこれは分からない。

「深樹の小径」より フシグロセンノウ

「フシグロセンノウが咲かないね」と、職員間で話をしていたのですが、本日、「深樹の小径」で咲いていました。

 日本の固有種で、本州・四国・九州の 山地の樹陰の草原に生える多年草です。茎は直立し、節が黒褐色になります。茎の上部は分枝し、まばらな軟毛があり、葉は無柄で茎に対生します。葉身は卵形から長楕円状披針形で、葉先は鋭尖形で基部は細まります。朱赤色の花を分枝した茎の先にまばらに数個つけ、萼は長円筒状で5裂し、毛はなく、花弁は5枚です。蒴果は先が5裂した長楕円形です。

 写真から、節が黒色をしているのが分かりますか? 花の色は赤みを帯びた朱色なのですが、「この色を絵の具で作るのは大変だろうな」と思ってしまうような、深みのある色合いです。花が散る前に、是非、会いに来てください。

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