観察日記

アカイタヤの別名はベニイタヤ

アカイタヤ(ムクロジ科)

 北海道、本州(東北地方~島根県の日本海側)、四国、九州 の山地に自生します。日本固有種です。山地に生え高さ20~25mになる落葉高木です。雌雄同株です。葉は対生し、横長五角形です。春の展葉期には、葉が赤味を帯びる特徴があります。葉柄は表面が紅色を帯びます。下面の脈腋にのみ毛があります。雄花と雌花(両性花)が、1つの花序内(あるいは個体内)で雑居しています。葉を開く前に、散房花序に淡黄色の小さな花をつけます。果実は毛がなく翼は直角または鋭角に開きます。5月頃からでき始め、10月頃になると褐色に成熟します。別名、ベニイタヤ。

 和名「赤板屋(アカイタヤ)」は、赤は新芽や葉柄が赤味を帯びることから。また、板屋は雨宿りができるくらいに、葉がよく繁り、板でふいた屋根のようなのでついた名前です。紅板屋(ベニイタヤ)も同様です。

イロハモミジの葉の裂片で、「いろはにほへと」を数えました

イロハモミジ(ムクロジ科)

 本州の福島県以南、四国、九州に分布します。国外では朝鮮半島の南部、中国、台湾に分布します。山地にもあるが庭に植えられる落葉樹です。葉には柄があり対生します。春、葉とともに暗紫色の小花をつけます。雄しべだけを持つ雄花と、雌しべと雄しべの両方を持つ両性花を咲かせます。萼片5、花弁5、雄しべ8。翼をもった果実を結びます。園芸品種が多くあります。秋に美しく紅葉します。翼果は2個セットで付いていますが、ほぼ水平に開きます。似ているヤマモミジはV字型(ブーメラン型)に付きます。別名で、イロハカエデ、タカオカエデなどとも呼ばれますが。

 和名「いろは紅葉 ・伊呂波紅葉(イロハモミジ)」は、葉が手のひらのように5 ~ 7つ裂片があり、この裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来します。「高雄楓(タカオカエデ)」の名は、京都の高雄が名所であることに由来します。また、「カエデ」は葉の形がカエルの手(前脚)の形に似ることから「蛙手」の意味で名付けられました。

ヤマモミジは東北から北陸にかけて日本海側の多雪地帯に分布します 

 ヤマモミジ(ムクロジ科)

 北海道、本州は青森から島根県の日本海側の多雪地に多く見られます。高さ12~15mほどの落葉高木です。葉は対生し、掌状に7~9裂し、不揃いな欠刻状の鋸歯があります。葉は紅葉しますが、黄色く色づくものもあります雄花と両性花が同じ木に咲きます。萼片、花弁ともに5。花弁は淡黄色~紅色、萼片は紅色。果実は2個ずつつき、プロペラ状の翼があり、鈍角に開く。

 翼果は2個セットで付いていますが、V字型(ブーメラン型)に付くのがヤマモミジで、東北から北陸にかけての日本海側の多雪地帯に分布します。一方、太平洋側・西日本でみられる、葉がヤマモミジより小ぶりなイロハモミジの翼果はほぼ水平に開きます

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