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そっと枯葉を取り除いて見ると・・・植物の命

 絨毯のように積もっている枯葉をそっと取り除いてみると、もう来年の春の準備をすっかり整えた植物の姿を見ることができます。思わず、「頑張って冬を越すんだよ。」と声をかけてあげたくなります。この時季は、「晩秋の何もない世界」ではなく「来春の姿がそっと隠れている世界」なのですね。四角の写真は11月下旬の《今の姿》、円い写真は《早春の姿》です。3種類とも積雪の多さにもよりますが、3月には咲き始めます。

1段目→ザゼンソウの冬芽(左)と春の姿(右)  

2段目→オオミスミソウの葉(左)と4月に開花している様子(右)                              ※常緑多年草なので緑の葉のまま雪の下に埋もれます

3段目→フクジュソウの冬芽(左)と3月下旬に開花している様子(右) 

晩秋の青空に 裸木が美しい

 今朝の野草園、最低気温は-3℃まで下がりました。陽が昇るにつれて霜も消え、清々しい青空です。すっかり葉を落とした中央広場付近の「裸木」をみると、その樹木本来の姿がよくわかります。青空に映え美しい姿です。

常緑低木 エゾユズリハ 青々と 

 常緑のエゾユズリハ(ユズリハ科)、他の木々が葉を落とす中で青々としています。近づいてよく見ると、紅色の葉柄をもつ葉の下に藍黒色の果序を見ることができます。雌雄別株ですので、果実を付けているのは雌株です。緑色の葉、紅色の葉柄、藍黒色の果実の色の変化が綺麗です。さらに近づいて葉を持ち上げ枝を見てみると、葉が落ちた葉痕はまるで優しいお地蔵様のように見えます。カマキリの卵や、ホオジロの巣でしょうか春に作ったであろう鳥の巣などもあります。

 エゾユズリハは中部以北の日本海側や北海道に自生し多雪地の林床に適応した種で、温暖な東北南部以西に自生するユズリハの亜種です。雪国仕様のエゾユズリハは、雪に埋もれても次の年の春にまた起き上がれるように、とてもしなやかな枝をもっています。

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