みどころ情報

フユノハナワラビ(ハナヤスリ科)

 「ナナカマドの森北側」「七草の庭の看板付近」「ツツジの丘南西側」で見られます。本州~九州の日向の山野に生えるシダ植物です。栄養葉は羽状に裂けた複葉(下段写真参照)となります。これとは別に基部近くで分枝して立ち上がった“胞子葉”(上段写真参照)があり、これが房状で花のように見えることから、「冬の花蕨(ふゆのはなわらび)」の和名が付きました。秋に葉を出してそのまま冬を越し、初夏に地上部が枯れます。

 ワラビの名がついていますが、ワラビの仲間ではなく、ハナヤスリ科の多年生草本です。ワラビのように食べられるかについて調べてみると、胞子葉の葉柄部分を茹でて食べることができるようです。また、姿が面白いため、栽培されて盆栽とされることもあります。漢方では「陰地蕨(いんちけつ)」と呼ばれ、全草を刈り取って干したものを煎じて腹痛や下痢の薬とします。

健康ブームの火付け役? トチュウ(トチュウ科)

 落葉の高木で20メートルにも達します。樹皮は暗褐色で、がさがさしており、樹皮を剥ぐと少し強靭な銀白色の糸を引きます。天然ゴムの産出木でもあります。花は単性で雌雄異株で、小枝の基部に出てきて、通常は葉より先に咲き出します。堅果は長楕円形で扁平、周りに翼があって先端は浅く分離しています。堅果の長さは3~4センチ程度です。

 トチュウは、15年以上たった樹を選び、4~5月頃、樹皮を剥ぎ取り、最外層のコルク層を取り除いてから天日で乾燥させます。これを生薬名で杜仲(とちゅう)といいます。薬性が穏かで補養強壮薬として用いられていて、応用される領域は広く、内科と産婦人科で見られる心臓、腎臓、生殖機能の衰退の症状には、いずれも良好な治療効果があります。また、杜仲には毒性がありませんので長期間の服用が可能であり、高血圧、高コレステリン血症、動脈硬化、脳神経衰弱などの心臓と脳中枢神経の疾病に効き目があるとされます。カフェインが入っていないので、子どもや妊婦の方にも問題なく使用できます。多くは他の生薬とともに用います。単独でも強壮、強精、鎮痛薬として、とくに腰痛、膝関節痛の痛みなどに用いられています。

 数年サイクルで、杜仲茶ブームが起こると聞いたことがあります。多くの効能に感嘆しますが、写真にあるような天然ゴムの乳白色の成分は、直接見たり引っ張ったりすると新鮮な驚きがあります。

エビガライチゴの蔓の腺毛が目を引きます 

 「ひょうたん池とミズキ林の間」のエビガライチゴ(バラ科)の様子です。開花状況を6/17の本園HP(ブログ)でお知らせしていますので、そちらも合わせてご覧ください。

 葉がほとんど落ち、腺毛が密集している蔓の様子がよくわかります。大きな刺の威力は健在で触れると痛いのですが、それ以外の部分は全体的に柔らかくなっているように感じました。葉の裏側が白いためウラジロイチゴとも呼ばれますが、葉脈にわずかに棘が残り、冬芽も見ることができました。

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