観察日記

晩秋の青空に 裸木が美しい

 今朝の野草園、最低気温は-3℃まで下がりました。陽が昇るにつれて霜も消え、清々しい青空です。すっかり葉を落とした中央広場付近の「裸木」をみると、その樹木本来の姿がよくわかります。青空に映え美しい姿です。

常緑低木 エゾユズリハ 青々と 

 常緑のエゾユズリハ(ユズリハ科)、他の木々が葉を落とす中で青々としています。近づいてよく見ると、紅色の葉柄をもつ葉の下に藍黒色の果序を見ることができます。雌雄別株ですので、果実を付けているのは雌株です。緑色の葉、紅色の葉柄、藍黒色の果実の色の変化が綺麗です。さらに近づいて葉を持ち上げ枝を見てみると、葉が落ちた葉痕はまるで優しいお地蔵様のように見えます。カマキリの卵や、ホオジロの巣でしょうか春に作ったであろう鳥の巣などもあります。

 エゾユズリハは中部以北の日本海側や北海道に自生し多雪地の林床に適応した種で、温暖な東北南部以西に自生するユズリハの亜種です。雪国仕様のエゾユズリハは、雪に埋もれても次の年の春にまた起き上がれるように、とてもしなやかな枝をもっています。

アキニレ 翼果をたくさん付けて黄葉

 「スワンヒルの庭」周辺にあるアキニレ(ニレ科)が、翼果(よくか:果皮の一部が翼状に発達した果実)を驚くほどたくさん付けて黄葉しています。楡の木というと春に花を咲かせるハルニレが一般的で、北海道や北国、高地に自生します。それに対して、アキニレは秋に花を咲かせてこの時季に実を付ける種で、西日本の河原や山地に自生します。野草園では両者を見ることができるように、自生しているハルニレだけでなく、アキニレが植栽されています。

 非常に硬い木材であることから「イシケヤキ」と呼ばれたり、河原に自生することが多いので「カワラケヤキ」とも呼ばれたりします。また、葉が小さく樹皮が美しいことから盆栽木としても人気があり、ケヤキに似ているため「ニレゲヤキ」とも呼ばれたりするようです。ちなみに、ケヤキもニレ科の樹木です。

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