観察日記

コナギ

「クリンソウの谷の橋」から見下ろせる小池で、コナギが咲きました。

 一年草で、地下茎などは持ちません。高さは15cm ほどになり、茎は根元で数本に枝分かれし、小柄なものは地表をわずかに這い、大柄なものはやや斜めに立ち上がります。葉は長い柄があり、葉身は強い光沢がある細い披針形、生長がよければ基部が心形の卵形になり、成長段階によって変化します。よく育つと幅広くなります。全株ともやわらかく、緑色で葉身表面はつやがあってやや色が濃くなります。

 本園では、数年ぶりに開花が確認されましたが、水田耕作における強害草の1つに数えられます。無農薬栽培で水田耕作をしている農家の方には、悩みの種だそうです。綺麗な花だけに、ちょっと残念!

雨に濡れる ナツズイセン

 「ナナカマドの森の東・アケビ棚近くの道沿い」で、ナツズイセンが咲きだしました。和名の「夏水仙」は、スイセンの葉に似ているためついた名前ですが、スイセンの仲間ではなく、これから咲くヒガンバナの仲間です。花期に葉がないため、ハダカユリと呼ばれることもあります。

 観賞用に栽培されるほか、日当たりの良い草地に自生している多年草です。細長い葉は早春に伸びだし、地下の鱗茎に栄養を貯め、初夏には葉が枯れてしまいます。夏には60cm程の花茎を立ち上げ茎頂にラッパ形のピンクの花を数個咲かせます。

 学名に、ギリシャ神話の「海の女神リコリス」の名がついています。花がとても美しいため、つけられました。今日のナツズイセンは雨に濡れ、学名通りの姿を見せてくれました。 

ボタンヅル

「藤棚」横でボタンヅルが咲いています。

 日本では、本州、四国、九州に分布し、山野の日当たりのよい草原や林縁などで、低木林や他の草などにからんで生育する木質のツル植物です。茎は2~4m程に伸びてまばらに分枝し、葉は対生で柄があります。夏に茎の先や葉腋から柄のある花序をだし、乳白色の小さな花を多数つけます。萼片は4個で十字形にならび花弁のように見えますが、花弁ではありません。雄しべ、雌しべは多数あり、花柱は白色で羽毛状です。

 和名は「牡丹蔓」。 葉の様子がボタン(牡丹)に似ていて、つる性であることからつけられました。雄しべがとても長い。萼片と同じかそれ以上の長さがあるようです。この時季、白い花は涼しげに見え、いいですね。

開園日について

アーカイブ