観察日記

ソメイヨシノ冬芽 芽鱗に毛があります

 サクラと言えばソメイヨシノ(バラ科)をイメージする方が多いようです。サクラの花が咲いているときはたくさんの人たちが桜の木を眺めますが、花が終わると、ましてや、葉も落ちた冬の時季に桜の木を眺める人はほとんどいません。でも、たまには虫眼鏡をもって冬芽を見てみるのも楽しいことです。

 ソメイヨシノの冬芽を見てみると、芽鱗に細かい毛がたくさんあることが分かります。ソメイヨシノは、江戸時代末期にエドヒガンとオオシマザクラから生まれた種間雑種と言われていますが(諸説あり)、両方の冬芽を見てみましょう。エドヒガンの冬芽には、芽鱗に白っぽい毛がたくさんあります。一方、オオシマザクラの冬芽は、無毛で光沢があります。ソメイヨシノの、葉よりも花が先に展開するという性質はエドヒガンから、そして、大輪の花はオオシマザクラから受け継いでいるといわれているようです。

 今年は3月の気温がとても高かったので、山形の市街地では今までになく早い時季の4月上旬に桜が開花した年でした。さて来年はどうでしょう。

オオイタヤメイゲツの冬芽は赤色です

 オオイタヤメイゲツ(ムクロジ科) 「ロックガーデン」の登り口にあります。 

 本州中部、四国の深山に生える落葉樹。幹は灰色で、高さ5~10m。葉は長柄があり、対生で裏面に毛があります。春、枝先に黄白色の小花をつけます。萼片は紅紫色で5、花弁5、雄しべ8、翼のある果実は無毛。雄花と両性花は株を異にします。

 「大板屋名月(オオイタヤメイゲツ)」 葉が丸みを帯びるような掌状に広がる様子を名月にたとえたものであり、イタヤとは葉が重なり合って、板葺き屋根のようであることから言う。イタヤメイゲツに似ていて葉が大きいのでこの名がある。

ウラジロヨウラクの冬芽は1cm程で太っています

 本州中部以北の山地に生える落葉低木。葉の表面は薄い緑色、裏面は白色を帯びていて、枝の先に集まって輪生状についています。枝の先に花柄を数本出して、筒状鐘形の花が垂れ下がります。萼片は5個で、花は淡紅紫色で筒の先は浅く5裂します。花も茎も、粉を吹いた感じがするのが特徴です。

 和名「裏白瓔珞」は、花の様子が仏像が身につける装身具(瓔珞・ようらく)に似ていること、葉の裏が白いことからついています。

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