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ハンノキもしっかり春の準備を整えました

 林野の湿地に生え、また植林される高さ17mになる落葉樹。幹は直立し分枝します。葉は有柄で互生し、雌雄同株。前年の秋に枝について越年した雄花の尾状花序は、有柄で黒紫褐色となり早春に垂れ下がります。雌花穂は雄花穂の下部につき、紅紫色で鱗片ごとに2個の花をつけます。果穂は楕円体の球果状で染料に用います。

 今時分のハンノキは、昨年の実から今年の実、雄花の冬芽、冬芽よ勢ぞろいの様相です。すっかり春の準備を整え、冬越しを万全の態勢でいます。

オオカメノキの冬芽 

 すっかり葉が落ちて、冬芽が目立つ季節になりました。オオカメノキ《ムシカリ》(ガマズミ科)の冬芽はとても可愛らしく、冬芽の中でも人気があります。ウサギのように見える方、ウルトラマンのように見える方、ワーイワーイと楽しそうな子どもに見える方、さらには、ラジオ体操をしているように見える方など、人によっていろいろな見え方があるようです。

オカメノキ(ガマズミ科)

名前からも葉に注目されがちな本種ですが、白い花も美しく葉に負けてはいません。花の中心部には両生花が集まり、そのまわりに白い装飾花がつきます。アジサイのなかまは、萼が変化したものですが、本種は花が変化したものです。名前は、葉が大きな亀の甲羅に似ていることが由来です。また、別名ムシカリは虫食われからという説があります。

ヒガンバナ 争わない平和主義者

 ほかの草が枯れてしまい、落ち葉だけになったところに青々と葉を茂らせているものがあります。間もなく冬を迎えるというのにきれいな緑色の葉です。そう、ヒガンバナの葉です。花が咲いているころはたくさんの方が目を向けてくれるのですが、この時季だれも見向きもしません。「葉見ず花見ず」という別名があるヒガンバナ、花が咲いているときには葉はなく、葉が出ている頃には花はありません。葉と花が互いに会うことはないという意味の別名です。

 花が終わった10月から葉を茂らせ、ほかの草が枯れてしまう頃に葉が大きくなります。雪国ではいったん雪に埋もれ、雪が解けたころにもう一度太陽の光をいっぱいに浴びます。そして初夏、ほかの草が伸びてくるころに葉は隠れるように消えていきます。他の草と太陽の光を奪い合うように争うことなく、時期をずらして葉を茂らせ花を咲かせるための栄養を蓄えます。平和主義のヒガンバナです。

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