リョウブの和名は令法

リョウブ(リョウブ科)

 和名「令法(リョウブ)」は、 律令時代、救荒植物として、若葉が食用となるため、飢饉に備えて貯蔵と採取を「令法(りょうぼう)」によって命じたことから。令法の転訛です。別名の「ハタツモリ(畑積り)」もこれに関連し、事前に収穫量を見積もって畑に植えられたことに由来します。

 北海道南部から九州までに分布します。国外では韓国の済州島に自生している山林に生える落葉樹です。高さ3~7mになります。樹皮は茶褐色で、枝は輪生します。葉は互生し、枝先に集まってつきます。夏、枝先に総状の花序をだし、白色で柄のある多数の花をつけます。萼、花冠ともに5つに裂け、雄しべ10、雌しべ1。蒴果を結びます。木炭の材料となります。

オオカメノキの紅葉と冬芽

 「薬草コーナーを杉林に向かってすぐ右側」のオオカメノキです。

 北海道、本州、四国、九州に分布し、ブナ林内や針葉樹林内に自生する落葉低木です。樹高は2~4mになり、葉は枝に対生し、形は円形で葉の先端は尖り縁は全縁になります。葉脈がシワ状に目立ち、形が亀の甲羅に似ているため、この名前が付きました(和名は大亀木)。花の中心部には両生花が集まり、そのまわりに白い装飾花がつき、アジサイによく似ています。アジサイの仲間は、萼が変化したものですが、本種は、花が変化したものです。別名「虫狩」と言われることがありますが、葉が虫に食べられることが多いことに由来します。

 紅葉が始まりました。葉脈の黄色が鮮やかです。冬芽は「ウサギの万歳」「ウサギの耳」等と呼ばれることがあります。キャラクターのようで可愛いですね。真ん中の丸い芽が花芽で、両脇の細長い芽が葉芽です。春に咲く白い花はとても可憐で、多くの方が「綺麗だね」と言ってくださいます。

イイギリの実は、ぜひ見上げてください

「スワンヒルの庭の北側道路」のイイギリです。

 日本(本州以南)、朝鮮、中国、台湾に分布する山地に生える雌雄異株の落葉高木です。太い枝を車軸状に広げ、樹皮は灰白色です。葉は大きなハート形で互生し、秋には黄葉します。枝先に長さ20-30cmの円錐花序が垂れさがり、緑黄色の花を多数つけます。果実は球形で、秋に真っ赤な房状の実を木いっぱいにつけます。果実は長いあいだ枝についているのが、突然なくなってしまいます。和名は「飯桐、椅昔(イイギリ)」。木の姿がキリに似ていること、大きな葉が昔、食器代わりに飯(おこわ)を包むのに使われたことに由来します。

 今はまだ葉が残っていますので、実は葉の陰に隠れている状態(左下写真)です。そこで、ぜひ木の下から見上げてください。高い枝いっぱいにブドウの房のような実がたくさんついている様子に感嘆されることでしょう。その様子は、「実りの秋」そのものです。

 

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