観察日記
野草園で一番遅い花が開花しました…「マルバノキ」
マルバノキ(マンサク科)
互生する葉が卵形~円形で、基部が心形になっているのでこの名です。別名は「ベニマンサク」で、暗紅紫色の花色によります。高さ3m程の落葉低木で、葉腋に径1cm程の暗紅紫色の花を2個、背中合わせに開くのが特徴です。野草園では例年、本種が最も遅く開花する植物です。 (「カエデの森」近辺に見られます。)
シラキ(トウダイグサ科)の紅葉
樹皮が灰白色で滑らかなことからの和名です。互生する葉は全縁で、大きく波打つ特徴があります。秋の紅葉は色がとても鮮やかで、周りの樹木に秀でています。果実は油分に富み、ウズラ模様のある球果です。 (「ロックガーデン」に見られます。)
ヤマボウシ(ミズキ科)の紅葉
山野に自生する、高さ6~10mの落葉高木。花や葉はハナミズキに似ており、対生する葉は楕円形で全縁、多少波状にうねります。今は写真のように暗赤色に紅葉しています。 (「中央広場」等で見られます。)
オオバクロモジ(クスノキ科)の黄葉
低山や林の斜面に分布する、高さ5m程の落葉低木。緑色のスベスベした肌に次第に黒い斑紋ができる事が多く、“黒文字”の由来になっています。葉や枝にレモンの様な芳香があるのが特徴ですが、秋には美しい黄葉を見せてくれます。 (「花の草原」近辺で見られます。)
色味は“深紅”…「ニシキギ」
※ この時季、野草園は色味の違う様々な紅葉が楽しめます。
(なお、写真と実物は若干色味が違いますので、実際に来て見て頂くのが一番だと思います。是非、御来園ください。)
★★★ 赤味の強い紅葉 ★★★
左 ①ニシキギ(ニシキギ科) “深紅”とも言える色を見せてくれます。 (駐車場周辺や「ツツジの丘」などに見られます。)
右 ②ドウダンツツジ(ツツジ科) 人家の植え込みなどによく使われます。 (「学習センター」前の植え込み)
左 ③アブラツツジ(ツツジ科) 赤い葉と黄色い果実のコントラストがきれいです。 (「マグノリア通り」などに見られます。)
右 ④ハウチワカエデ(ムクロジ科) 丸みのあるモミジです。 (「カエデの森」や「クリンソウの谷」近辺でも見られます。)
★★★ 少し橙色の色味がある紅葉 ★★★
左 ⑤ヤマモミジ(ムクロジ科)“ カエデ”らしい掌状に深く切れ込んだ葉。 (「野草の丘」「カエデの森」などに見られます。)
右 ⑥サラサドウダン(ツツジ科) かなり橙色を感じます。 (「マグノリア通り」「ツツジの丘」などで見られます。)
⑦ ケヤキ(ニレ科) 葉の縁は独特な丸みのあるような鋸歯で、条件が悪いと、茶色に“褐葉”してしまいます。 (駐車場のケヤキが鮮やかです。)
左 ⑧オオヤマザクラ(バラ科) 早目に紅葉し、今は終期です。 (駐車場に見られます。)
右 ⑨カスミザクラ(バラ科)現在、結構きれいに色づいています。 (「マグノリア通り」などに見られます。)
まるで花のようなシダ…「フユノハナワラビ」
フユノハナワラビ(ハナヤスリ科)
本州~九州の日陽の山野に生える、高さ20~40㎝のシダ植物。栄養葉は羽状に裂けた複葉となりますが、これとは別に基部近くで分枝して立ち上がった“胞子葉”があり、これが房状で花のように見えるので、この名です。 (「ツツジの丘」近辺などに見られます。)
ツルウメモドキ(ニシキギ科)
山地に多い、ツル性の落葉低木。長く伸びた枝に、今は径1cm弱の球果を付けています。熟すと黄色い果皮は3つに割れて中から赤い仮種皮にくるまれた3個の種が現れます。たわわな赤い実がウメモドキに似た感じでツル性のため、この名が付きました。 (「ひょうたん池」の入口付近などに見られます。)
カリン(バラ科)
中国原産で、高さ6m程の落葉高木。左写真のような長さ12㎝程の楕円球果を実らせています。黄熟する硬い果実は芳香と酸味があり、果実酒などに利用します。果肉は石細胞が多く、硬くて食用にはならないようです。ちなみに、花は右写真のようにモモに似た紅色の花です。 (「薬草コーナー」「吉林の庭」に見られます。)
イイギリ(ヤナギ科)
雌雄異株の、高さ15~20mになる落葉高木です。太い枝を車軸状に広げ、秋には黄葉します。枝先に、緑黄色の花を多数付けていましたが、直径1㎝程の赤い球果を木いっぱいに付けました。果実は長く木に残るので、園の中でだんだん目を引くようになります。 (「スワンヒルの庭」近辺に見られます。)