観察日記
秋の「ツツジの丘」にツツジが…ヤマツツジ
ヤマツツジ(ツツジ科)
北海道~九州まで全国に分布し、一番親しみのあるツツジです。全国にも二季咲きや四季咲きのツツジがあるようですが、本園の「ツツジの丘」でも2輪、3輪と、あちらこちらに花を咲かせています。
オオバクロモジ(クスノキ科)の冬芽と花
九州から本州の低山などに分布する落葉低木で、黄葉がきれいです。今、その葉は散り始めていますが、よく見ると枝先に冬芽(左写真)を見つけることができます。周囲の丸みのある芽は花芽、真ん中の尖っているのが葉芽です。 (「ツツジの丘」などに見られます)
葉芽と花芽の位置が逆のものもあります。
オオカメノキ(スイカズラ科)の冬芽と花
春には、右写真のようなガクアジサイに似た白い花を咲かせますが、冬芽はウルトラマン(ウサギちゃん等と言う方もいます)の様な独特の格好をしています。真ん中の丸い芽が花芽、両脇の尖っているのが葉芽です。 (「ロックガーデン」などに見られます)
シラキ(トウダイグサ科)の果実
「ロックガーデン」の登り口で、美しい紅葉を見せていた樹木です。樹皮が灰白色で滑らかなのでこの名です。一つの枝に付く葉の大きさがまちまちなのが特徴の一つです。花後にできた果実(写真)は、外皮が三つに割れ、中から虎斑のある径8mm程の種が現れます。割ってみると油分たっぷりで、香ばしい味です。
一番遅く咲く花…マルバノキ
園内で最後に咲く「マルバノキ」も咲き出し、野草園は“秋深し”の感です。
マルバノキ(マンサク科)
野草園では一番遅く咲く花と言われています。本来は、中部地方や四国の山地に見られる、高さ1~3mの落葉低木です。互生する葉が卵形~円形なので“マルバノキ”です。葉腋から出た二つの花は背中合わせに接着し、別名「ベニマンサク」とも言われるように、その色は暗紅色です。花径1㎝程の小さな五弁花です。 (「カエデの森」付近に見られます)
秋が深まったとはいえ、紅葉の見どころはまだまだあります。
紅葉が見どころの「カエデの森」付近
東トイレの南側(山側)に、数種類のカエデがあります。≪ヤマモミジ、イロハモミジ、チドリノキ、ヒトツバカエデ、ハウチワカエデ、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、カジカエデ、イタヤカエデ、エンコウカエデ≫など。ヤマモミジをはじめ、色彩がだんだん濃くなっています。
シロヤシオ(ツツジ科)の紅葉
名の如く、白花の咲く五葉ツツジですが、秋には写真のように見事な紅葉となります。今は、「ツツジの丘」の中でも目立っています。皇室の愛子様のお印の花です。
イロハモミジ(カエデ科)の紅葉と翼果
ヤマモミジと良く似ていて識別が難しいのですが、2個の翼果(プロペラの付いた種)が一直線にくっ付き、その翼果が葉の上に出来る事が、区別点の一つと言われています。 (「カエデの森」などに見られます)
丸い団扇の形の紅葉…ハウチワカエデ
紅葉(黄葉)している樹々の葉の形も様々です。ちょっと注目すると面白いです。
※いずれも、「カエデの森」(「ウランウデの庭」の西側)で見られます。
ハウチワカエデ(カエデ科)の紅葉
樹高は5~10m、葉は掌状に中ほどまで裂け、葉の縁は重鋸歯になっています。葉柄は葉身の半分~四半分ほどです。カエデ科独特の翼果は、鈍角に開きます。葉の形全体が丸く見えるので“メイゲツカエデ”とも言われます。
ヤマモミジ(カエデ科)の紅葉
樹高は10m程、葉は掌状に深く裂け、先端は尾状にとがります。縁は重鋸歯になっています。果実は、2㎝以上の翼をもつ大形の翼果です。この辺りの山では最もよく見かけるカエデの一つです。
イタヤカエデ(カエデ科)の黄葉
樹高は20mにもなる落葉高木。葉は掌状で5つに浅く裂け、葉の縁に鋸歯はありません。翼果はあまり開かず、その角度は90度以下です。
エノキ(ニレ科)の黄葉
樹高が20mにもなる雌雄同種の落葉高木。互生する葉は、左右非対称のゆがんだ卵型で、葉の縁の上半分だけに鋸歯があり、下半分は全縁と言う、変わった葉です。