観察日記
日本特産の「シラネアオイ」
シラネアオイ(キンポウゲ科)
日本特産の1属1種の植物です。紫色の花弁に見えるものは4枚の萼片です。葉は掌状複葉で、亜高山の樹下にしばしば群生する姿が見られます。本園では、「ひょうたん池」の西側や、「水辺の広場」からの杉林の中に見られます。(分類は、シラネアオイ科とする説もあるようです。)
ベニシダレ(バラ科)
中国原産の小低木。枝が長く伸びて垂れたようになります。エドヒガンの園芸種で、本園では「吉林の庭」で咲いています。白色、淡紅色、八重咲きと、さまざまな種があります。
カスミザクラ(バラ科)
赤みが強く、大きな花が咲くオオヤマザクラが咲き終わる頃に、本種が咲きだしました。花は白っぽく、ヤマザクラに似ていますが、花柄に毛があるのが特徴です。今からの時期、この辺りでは、遠く山を眺め、薄桃色の花が見えたら、たいていはカスミザクラと思っていいようです。
ハシリドコロ(ナス科)
葉と地下茎に猛毒を含み、これを食べると狂ったように所構わず走り回ることから名が付いたそうです。花は釣鐘型で、外側は暗紫色、内側は淡緑黄色です。若い葉は柔らかくておいしそうですが、山菜と間違えると大変です。
北国のツバキ「ユキツバキ」
ユキツバキ(ツバキ科)
日本海側の多雪地帯に分布する常緑低木。枝はしなやかで、雪に埋もれることで寒さから身を守っています。似ているヤブツバキとは、花糸(雄しべ)が黄色くて、茶筅のようにまとまらずバラバラな点で区別ができるようです。
シュンラン(ラン科)
山地の乾燥した斜面などに見られる多年草。早春に咲くランであることからの名です。黄緑色の花に赤紫色の斑点があるのが特徴です。山形の方言では「ズドバ」と呼ばれます。
オオカメノキ(スイカズラ科)
ウサギのような、宇宙人のような冬芽が開き、ガクアジサイのような花が咲きました。花の中心部には小さな両性花が集まり、その周りの花弁に見えるものは装飾花です。名は、葉が大きな亀の甲羅に似ているからです。
レンギョウ(モクセイ科)
中国原産の落葉小低木。本園では「吉林の庭」で咲いています。枝は中空で、伸びた枝は垂れ下がります。葉を展開する前に、径3㎝程の鮮黄色の花を咲かせます。
エドヒガンが咲きだしました
野草園でもソメイヨシノが咲きだし、その片親と言われるエドヒガンも咲き始めました。オオヤマザクラはもう五分~八部咲きの状況です。
エドヒガン(バラ科)
春の彼岸の頃に咲き、関東地方に多いのでこの名です。萼筒の基部がブックリとふくれて壺形になっているのが特徴です。大木となって天然記念物に指定されるほど寿命の長い樹木です。
ソメイヨシノ(バラ科)
日本でサクラと言えば本種を思い浮かべる人がほとんどというほどに全国に広まり植えられています。樹の姿は、割合に横に広がり、花をたくさんつけるので見ごたえがあり、好まれるようです。
オオバナノエンレイソウ(ユリ科)
北海道に多く自生する、湿地を好む多年草。野草園では、エンレイソウに少し遅れて、本種が咲きだしました。大きな3枚の葉の上に、花径4~5㎝の白い花を付けます。緑色の小さな萼(外花被片)は尖りますが、花弁(内花被片)はあまり尖りません。
オオバクロモジ(クスノキ科)
マルバマンサクに代わって、黄色に目立っている花の一つが本種です。数個の小さな花の集まりの真ん中に葉芽がチョコンと立っています。若い枝は深緑色で、そこに黒い斑があり、墨で字を書いたように見えるので“黒文字”です。枝には芳香があり、高級な爪楊枝などに利用されます。