観察日記
黄色い小花が輪になって咲くので…「黄輪草(キリンソウ)」
キリンソウ(ベンケイソウ科)
山地の草原、林縁などに生える、高さ20~50㎝の多年草。茎の先に多数の黄色い小花を集めて付けます。星形で径1㎝弱の黄花は5弁花で、披針形の花弁は先が鋭くとがります。名は黄色い小花が輪になって咲くからと言われています。 (「ロックガーデン」に見られます。)
トリアシショウマ(ユキノシタ科)
花茎の高さは40~100cm、葉は3回3出複葉です。花序は円錐状で、1つの側枝の長さは12~25cm、さらに分枝して少し垂れます。小花は白色で5個の萼片は小さなさじ形です。葯が黄白色なので、これが花色に見えます。茎が細い割には硬くて、まるで小鳥の足の様なので、この名になったという説があります。 (「ロックガーデン」などに見られます。)
クリ(ブナ科)
この時季、山道を車で通ると、この白い花が目につきます。雌雄同株ですが、雌雄異花です。斜めに立ち上がり、穂状に付いているのが雄花で、淡黄色の小花が白っぽく広がり目立つのです。臭いがかなり強く、昆虫が集まってきます。雌花は雄花の付け根のところに5mmほどの大きさで付き、白いトゲのように見えているのは雌しべです。
(園内のあちらこちらで見られます。)
クマツヅラ(クマツヅラ科)
道端などに生え、高さ50~80cmの茎は四角形で直立します。枝先に、細長く柄のない紫色の小花を多数付けます。下から段々と咲き上がる花は、径4mmほどで、下部は筒状で先が5裂します。全草を薬用にするそうです。 (本園の駐車場周辺などに見られます。)
梅雨に映える花……「エゾアジサイ」
エゾアジサイ(アジサイ科)
日本海側の山地に生える日本固有種の落葉低木です。太平洋側に多いヤマアジサイより葉や花など、全体的に大きいようです。枝先に、淡紫色の小さな両性花を囲むように萼片が変化した大きな青紫色の装飾花を付けます。受粉のための、虫を誘う装飾花は、役目を終えるとクルッと裏返ります。 (「アジサイロード」に見られます。)
アワモリショウマ(ユキノシタ科)
近畿以西では自生しますが、この辺りでは観賞用に植えられています。高さは40~80cm、葉は2~4回三出複葉で、上部に円錐花序を出して多数のピンクの小花を付けます。ごく小さな花弁は幅が広いサジ形です。花序は普通、斜上しないでうなだれる感じです。名は泡が集まったような花の姿を表したようです。 (「七草の庭」近辺に見られます。)
キンコウカ(キンコウカ科)
山地帯の湿地などに生える、高さ20~40㎝の多年草。開花直前の蕾の花被片は緑に見え、総状に多数の黄色の小花となって開花します。その後、花被片はまた緑色になります。花径は1.5cmと小さく、「金光花」の名は黄色い花色によるようです。 (「ロックガーデン」などに見られます。)
オオバギボウシ(キジカクシ科)
山形では“ギンボ”と呼ばれる、大きなハート形の葉を持つ多年草です。時に1mを超す高さの茎の上部に、薄紫色の細いラッパ型の花を多数つけ、下から順に開花していきます。蕾が橋の欄干の飾り“擬宝珠”に似るのでこの名です。 (園内のあちらこちらで見られます。)
ヒペリカム(オトギリソウ科)
高さは30~100cmで、枝先に花径3~5㎝の黄色い5弁花を上向きに付けます。ポンポンのように球状に付く雄しべが特徴で、花後にできる果実はまるで黄色い真珠のようです。葉は長楕円形で対生します。 (「友好姉妹都市の庭」に見られます。)
ホタルの季節になると咲き出す!?……「ホタルブクロ」
ホタルブクロ(キキョウ科) 右:ヤマホタルブクロ
山野に生える多年草。高さ80cm程の茎の上部に、長さ4~5㎝の袋状の花を付けます。先は5裂し、萼片の間に反り返った付属体があります。反り返らずに少し膨らんでいるように見えるのは「ヤマホタルブクロ」(右写真)です。花色は淡紅紫色または白色で、蛍が飛び交う時季に見頃を迎える花です。太平洋側では赤紫色、日本海側では白色の花が多く見られるようです。 (「吉林の庭」「薬草コーナー」等で見られます。)
ノハナショウブ(アヤメ科)
山地の草原や湿地に生育する、高さ40~100cmの多年草で、ハナショウブの原種です。葉の幅が狭く“中肋”があり、太くはっきりした筋になります。赤紫色の花は、基部が黄色い“蜜標”になっています。花径は10cm程で、全体に細長い感じがします。 (「水辺の花コーナー」に見られます。)
キョウガノコ(バラ科)
茎の高さは50~150cm、カエデに似た掌状に切れ込みのある葉を付けます。枝先にピンク色の粒々の小さい花を密生して咲かせます。小花は5弁花で、白い花が咲く種もあります。“京鹿の子”とは京で染めた「鹿の子絞り」の事です。 (「薬草コーナー」で見られます。)
ツルコケモモ(ツツジ科)
ツルを20cm程横に伸ばす常緑小低木。前年枝の先から花柄を出し、淡紅色の花を下向きに1個ずつ咲かせます。花冠は4裂して、長さ7~9mmの裂片はカタクリのように背面に反り返ります。花後、径1㎝程の真赤な球果となり、「クランベリー」として食用にされます。 (「ロックガーデン」に見られます。)