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ハッカ かつて山形は国内有数の産地

 ハッカ(シソ科)の花が、開花しました。大平沼からの流れ出し口の所で見ることができます。湿ったところに生える多年草で、地下茎を伸ばして増えていきます。葉腋に小さな花を輪生し、葉の根元に集まって咲いているように見えます。ハッカはメントールを多く含んでおり、爽やかな香りがするので、古くから薬草や香料として利用されてきました。

 明治時代、山形は国内有数のハッカの山地でした。現在は北海道が主たる産地になっていますが、その北海道にハッカを伝えたのが天童出身の屯田兵「石山伝次郎」と言われています。明治後半以降山形でのハッカ栽培は衰退し、大正時代にはほぼ消滅してしまったようです。現在、かつて盛んだったハッカ栽培をよみがえらせようと、天童市高擶などで様々な取り組みが行われているようです。

キツネノカミソリとナツズイセン

 キツネノカミソリとナツズイセンが咲いています。どちらもヒガンバナ科の植物です。キツネノカミソリもナツズイセンも、春に葉をのばし、夏の初め頃には葉が枯れ地上部からいったん姿を消します。そして、野草園ではお盆の頃に立ち上げた茎の先に花を付け、再び地上部に現れます。

 秋の彼岸の頃に真っ赤な花を咲かせるヒガンバナは、花が終わってから葉を出して冬を越します。同じヒガンバナ科でも、葉と花の出現の時季が違います。

ツノハシバミは大豊作

 ツノハシバミは幼木にも実がたわわになっていますが、ハシバミには2、3個しかなく、実を探すのが大変です。両方が近くにあって比較できる場所が「自然学習センター」の西側道路です。

 ツノハシバミ(カバノキ科)

 北海道、本州、四国、九州、朝鮮に分布する山中に生える高さ5m程になる落葉樹です。幹は直立し分枝します。葉は有柄で互生し、雌雄同株、早春、小枝から褐赤色をした雄花の尾状花穂が垂れさがります。雄花は雄しべ8。雌花穂は小卵形で柄はなく、鮮紅色の花柱が束生しています。雌花には花柱2。堅果は長いくちばし状の筒形の総苞に包まれます。ナガハシバミともいいます。ハシバミの仲間の果実は昔から食用にされていました。ヘーゼルナッツの名で親しまれているのはヨーロッパ原産のセイヨウハシバミの果実です。和名「角榛(ツノハシバミ)」は、くちばし状の総苞から、ツノハシバミの名になりました。

 ハシバミ(カバノキ科)

 ロシア沿海地方から東アジア北東部の全域、ならびに、朝鮮半島と日本列島(北海道、本州、九州)に分布します。日の当たる丘に生え、植栽もされる高さ5mにもなる落葉樹です。葉は有柄で互生し、裏面に短毛があります。若葉に紫斑。雌雄同株。早春、小枝から黄褐色の雄花穂が垂れ下り、雄しべは8。雌花穂は小枝に上向きにつき無柄です。鮮紅色の花柱を束生します。雌花は苞鱗ごとに2個。堅果は鐘形の総苞に包まれます。和名「榛」葉皺実(ハシワミ)皺(しわ)の多い葉を持ち、果実が実ること。榛柴実(ハリシバミ)、葉柴実(ハシバミ)などいろいろあるが定かではありません。

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