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「私も春の妖精です。」……キクザキイチゲ
春、いち早く顔を出し、はかなく消えていく「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」。その中の一つで、今から盛りを迎えるのが「キクザキイチゲ」です。
キクザキイチゲ(キンポウゲ科)
落葉樹の下で、菊に似た花と葉を付ける、草丈10cm程のイチリンソウの仲間です。淡紫色の花びらに見えるのは萼片で、9~13枚あります。日が当たると花を開き、太陽を追って向きを変えたり、曇りや雨の日は花を閉じます。近くで咲くアズマイチゲとは、開花が少し遅く、葉が細かく切れ込んでいる点が区別点です。 (「24番看板」の南東側に見られます。)
シロバナショウジョウバカマ(シュロソウ科)
淡紫色に咲くショウジョウバカマの変種で、葉の質が薄いようです。ロゼット状に広げた葉の中心から茎を立ち上げて、頂に3~10個ほどの花を横向きや下向きに付けます。現在の草丈は10cm足らずですが、これから茎がどんどん伸び、花色も少し黄色味を帯びていきます。 (「木道」~「東トイレ」の道の側に見られます。)
オウレン(キンポウゲ科)
高さ10cm程の細い茎の頂に、径1cm程の花を咲かせるので、注意しないと見逃してしまいそうです。白い花弁に見えるのは萼が変化したもので、花びらは中心の近い所にある淡黄色のスプーン状の部分です。横に這う地下茎が黄色いので“黄蓮”の名が付いたようです。 (「スワンヒルの庭」の向かい側に見られます。)
アブラチャン(クスノキ科)
ダンコウバイによく似た花を付ける樹木ですが、花柄があるので区別できます(ダンコウバイは柄が見えません)。花は一か所に3~5個の花が集まって付き、一つの花の花被片は6個あります。木全体に油分が多く、かつて油を採ったことが名の由来のようです。 (「ログハウス」の前のせせらぎ近く等に見られます。)
ほのかに良い香りのする秋の七草…「フジバカマ」
フジバカマ(キク科)
中国からの帰化植物と言われ、秋の七草の一つ。草丈は1~1.5mで、対生する葉は葉柄が短く、3つに深裂するのが普通です。淡紅紫色の頭花は5個の小花から成り、筒状の小花は花柱が長く、先は2つに分かれ、それが糸状に見えます。乾くと良い香りがします。 (「七草の庭」に多く見られます。)
オクモミジハグマ(キク科)
山地の林下に生える、高さ40~80cmの多年草。茎の途中にやや輪生状に葉が付き、中心から伸ばした花茎に、白色の頭花をまばらに付けます。頭花は3個の筒状花から成り、花冠はそれぞれ細く糸状に5裂し、後ろに少し反り返ります。 (「ひょうたん池」西側などに見られます。)
ワレモコウ(バラ科)
山野に普通に生える、高さ1m前後の多年草で、縁が波型の奇数羽状複葉が目立ちます。茎の上部に暗紫色の楕円球の花序を作り、上から下へと小花を開花します。小花は花弁が無く、4枚の萼片が花弁のように見えます。4個の雄しべの葯も暗紫色です。 (「花の草原」に植栽しています。)
オオミゾソバ(タデ科)
水辺に生える、高さ50~90cmの1年草。茎の上部は直立し、下向きのトゲがあります。ほこ形の葉は有柄で互生し、葉柄には明らかな翼が見られるのが特徴です。花は径5mm程で、花被片は5個ありますが、これは萼が変わったものです。 (あちらこちらの水辺に見られます。)
上品な紫…「ムラサキシキブ」
ムラサキシキブ(クマツヅラ科)の果実
台湾~日本の林などに分布する落葉低木です。淡紫色で小さな花も可愛くてきれいですが、熟した果実は、上品な紫で、大人の方に人気があります。紫色の実の美しさを、平安美女の「紫式部」に例えたネーミングです。
ツルウメモドキ(ニシキギ科)の果実
北海道~九州の山野の林縁に生える、落葉ツル性の木本。黄緑色の目立たない小花の後に、このような鮮やかな実を付けています。果実は熟すと三つに割れるのが特徴です。
エゾアジサイ(アジサイ科、ユキノシタ科)の萼
ご存知のように、ガクアジサイの周りの花は「装飾花」で萼、いわば葉が変化したものですが、この季節はエゾアジサイの装飾花も青色から赤紫色へと色が変わっています。まるで赤紫色の花のように見えます。ちなみに、ガクアジサイの“ガク”は、“額”の意味です。