観察日記

イロハモミジの葉の裂片で、「いろはにほへと」を数えました

イロハモミジ(ムクロジ科)

 本州の福島県以南、四国、九州に分布します。国外では朝鮮半島の南部、中国、台湾に分布します。山地にもあるが庭に植えられる落葉樹です。葉には柄があり対生します。春、葉とともに暗紫色の小花をつけます。雄しべだけを持つ雄花と、雌しべと雄しべの両方を持つ両性花を咲かせます。萼片5、花弁5、雄しべ8。翼をもった果実を結びます。園芸品種が多くあります。秋に美しく紅葉します。翼果は2個セットで付いていますが、ほぼ水平に開きます。似ているヤマモミジはV字型(ブーメラン型)に付きます。別名で、イロハカエデ、タカオカエデなどとも呼ばれますが。

 和名「いろは紅葉 ・伊呂波紅葉(イロハモミジ)」は、葉が手のひらのように5 ~ 7つ裂片があり、この裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来します。「高雄楓(タカオカエデ)」の名は、京都の高雄が名所であることに由来します。また、「カエデ」は葉の形がカエルの手(前脚)の形に似ることから「蛙手」の意味で名付けられました。

ヤマモミジは東北から北陸にかけて日本海側の多雪地帯に分布します 

 ヤマモミジ(ムクロジ科)

 北海道、本州は青森から島根県の日本海側の多雪地に多く見られます。高さ12~15mほどの落葉高木です。葉は対生し、掌状に7~9裂し、不揃いな欠刻状の鋸歯があります。葉は紅葉しますが、黄色く色づくものもあります雄花と両性花が同じ木に咲きます。萼片、花弁ともに5。花弁は淡黄色~紅色、萼片は紅色。果実は2個ずつつき、プロペラ状の翼があり、鈍角に開く。

 翼果は2個セットで付いていますが、V字型(ブーメラン型)に付くのがヤマモミジで、東北から北陸にかけての日本海側の多雪地帯に分布します。一方、太平洋側・西日本でみられる、葉がヤマモミジより小ぶりなイロハモミジの翼果はほぼ水平に開きます

ウリハダカエデも紅葉が綺麗です。

ウリハダカエデ(ムクロジ科)

 「瓜膚楓(ウリハダカエデ)」の名前の由来は、樹皮の暗い青緑色の模様が、甜瓜(マクワウリ)の未熟な実の色に似ているのことからです。私の子供の頃は、お盆になると仏壇にお供えするのが習わしでしたが、今では甜瓜(マクワウリ)はなかなかお目にかかれなくなりました。マクワウリを例に出すより、イノシシの幼獣のうり坊(生後4カ月くらいまでの幼獣の体には、瓜のような縞模様があることが通称の由来)を例にした方が、子ども達にはわかってもらえそうです。

 本州、四国、九州、屋久島にかけて広く分布します。日本固有種です。やや湿気のある谷間や緩やかな斜面によく見られます。高さは8~10mになります。幹枝は菱形状の皮目が点在する(瓜肌)が特徴です。葉は対生、葉身は長さ10~15cmの扇状五角形で浅く3~5裂します。雌雄異株、まれに同株になります。淡緑色~淡黄色の花を総状花序に10~15個つけ、花弁は5個でへら形、雄しべは8個あります。

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