観察日記
野草園のお姫様
入り口を入ってすぐ右側、お姫様のような花が迎えてくれます。
ヒメサユリ(ユリ科)
新潟県や東北地方の南西部の高山に生える多年生草本です。ササユリに似ていますが、本種は背が低く、葉の幅が広く、花数は少ない、そして雄しべが花外に出ない等の特徴があります。花の咲く姿はかわいらしく、まさにお姫様です。今が花盛りです。
それに対し、[花の王]と言われる花は……
ボタン(ボタン科)
その昔、日本に渡ってきた中国原産の落葉低木です。薬用として栽培され始めましたが、今は主に観賞用です。茎が木質であること、葉に切れ込みがあることなどで“シャクヤク”と見分けられるようです。
香りに特徴がある花は……
イブキジャコウソウ(シソ科)
小さな可愛い植物で、しかもシソ科ですが木本です。茎は地を這ってよく分枝し、雪が降るころまで咲き続けることもあります。伊吹山に多く、良い香りがするのでこの名が付きました。
ミヤコワスレ(キク科)
山地の木陰などに生える多年草で、青紫色の花はキク科に珍しく春に咲きます。戦いに敗れ、島流しにあった者が都恋しさを忘れるほど美しく咲くことからこの名が付いたということです。
カンボク(スイカズラ科)
ガクアジサイにとてもよく似た花をつけます。本当の花(両性花)は中央の小さな花で、周囲の目立つ花は雄しべや雌しべの無い装飾花です。花の後にできる美しい紅い果実は、とてもまずいです。
オゼコウホネ(スイレン科)
涼しい池沼に生える多年生の水草です。細長いハート型の葉は浮かんでいますが、沈んでいる葉もあります。中心の雌しべの頭の部分の赤い色が特徴です。